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HAYとわたし by Fumiko Sakuhara #3 Summer Greetings by HAY

HAYのある暮らしとはいったいどういうものか? を個人の視点で解釈し、表現していく連載企画「HAYとわたし」。
第三回目は、インテリアスタイリストの作原文子さんにフィーチャーします。

2023年夏に〈21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3〉にて開催された「Summer Greetings by HAY」では、HAYがリートフェルト・オリジナルと共に復刻した「CRATE COLLECTION」などのアウトドアコレクションを中心に、今のHAYを感じられるスタイリングを作り出した作原さん。

安藤忠雄氏の建築のもと、美しく広大なミッドタウンガーデンを借景とした今回のスタイリングを振り返りながら、HAYのアウトドア家具の持つ魅力や、ものづくりへの思いについて伺います。

異素材の組み合わせで新たな表情を楽しむ

──今回のスタイリングにおいて、どのような点にこだわりましたか?

家族がデンマークに住んでいたこともあって、北欧には特別な思い入れがあり、とても楽しみにしていました。まず考えたのは、私の中で北欧を象徴する花や木など、植物のイメージや色合いが空間に溢れるスタイリングにしたい、ということ。そして素材の質感や色の組み合わせによって生まれる雰囲気や佇まいを重視しました。たとえば、HAYで人気のPALISSADEシリーズに異素材の木を加えることで、温かみが生まれたり、単体では作れない雰囲気が出たりしますよね。また、実際にここでチェアに座った時に見える風景や目線についてもかなり意識しました。

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──安藤忠雄さんの建築の中で、HAYを表現した感想を教えてください。

貴重な経験ですし、とても光栄でしたが、楽しみにしていた分難しくもありました。HAYの家具を、通常の住宅とは違うこの空間にどう配置していくか。ギャラリー的でもありつつ、かといって冷たい印象にもならないバランスを探る必要がありました。平坦にならないようレイアウトに高低差をつけたり、ライトの取り付けなど大変な作業もありましたが、ポイントになったのは両サイドの窓。できるだけこの視界を活かせるようにしようと考えました。

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──コンテナに植物を組み合わせるアイデアは目を引きますね。

最初にこのお話をいただいた時に、会場の中に花壇を作りたいなと思ったんです。新作のコンテナ「COLOUR CTARE」は色を自由に組み合わせられるので、その楽しさが伝わるように挑戦してみました。スタイリングに慣れていない人でも、コンテナの中に好きな植物を入れるだけで小さな花壇ができる、という提案です。

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──今回は新作のCRATE COLLECTION、WEEKDAY COLLECTIONがメインのスタイリングでしたが、室内でアウトドア家具を使う際のポイントはありますか?

室内では布のようなリラックスできる素材を多く使用したり、木などの自然の素材を組み合わせることでコントラストを楽しむことができますし、外とはまた違った表情が生まれます。外ではなかなか使えないガラス素材なども取り入れると、よりリビング感が増していくかなと。今回たくさん使用している「MOUSQUETON PORTABLE LAMP」も、今季のラインナップの中で素敵だなと思ったデザインのひとつ。外で活躍するのはもちろんですが、家の中で自分と一緒に移動できる照明があれば、リビングでの時間をより楽しめるのではないでしょうか。

心踊る素敵な出会いのきっかけに

──スタイリングに欠かせない、お気に入りのアイテムは?

植物と本ですね。特に本は私にとって身近なデザインのひとつで、その色合いを楽しんだり、複数の本が重なったときの佇まいをスタイリングに取り入れるのがすごく好きです。表紙や装丁が素敵なものは飾っておきたくなるので、よく使います。

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──自宅をスタイリングするとき、まずはどこを気にすべきでしょうか?

その人がどのようなライフスタイルで、家の中のどんなシーンを重視するかによると思いますが、何より一番はどんなものが好きか。自分にとって譲れないモノと出会ったのなら、少しぐらいサイズが大きかったり、他の家具とのバランスが完璧じゃなかったとしても取り入れてみる。イレギュラーを楽しむ勇気みたいなものが大切かなと思います。心から好きなものを手に入れることで気持ちが高まり、それが次のステップへ繋いでくれます。迷った時は自分が好きかどうか、大事にしたいと思う気持ちを大切に考えてもらえたらと思います。

──どんな刺激がアイデアの源になっていますか?

仕事柄だと思いますが、日々の生活の中できれいだとか面白いと思う色味や素材の組み合わせやシーンを記憶していて、そのアイデアを仕事でも日常でも試してみるんです。日常の風景からスタイリングのヒントをもらうことはたくさんあります。

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──インテリアスタイリストとして大切にしていることは?

同じくウェルカムグループのライフスタイルショップであるCIBONEさんに昔からお世話になっていて、その中で築いてきた関係性があるので、今回のお仕事で少しでも自分が役に立てたらという気持ちがありました。振り返ったとき、スタッフの思い出話でも「(この仕事は)よかったね」って楽しい記憶のひとつとして残してもらえたら、と。
スタイリストの仕事は、人との繋がりがベースにあります。スタイリングの感覚や仕上がりはもちろん大事ですが、自分がまず大切にしたいのは、たくさんの人やモノ、デザインとの出会い。その出会いが今の自分を築いていると思っています。

──今後、お仕事を通してどんな表現を生み出していきたいですか?

世の中には素敵な作り手やモノがたくさん存在しますが、そうした存在にまだ巡り会えていない方たちも多いはずです。自分の仕事によって、その出会いのきっかけを作れたらと最近よく思います。自分の知らないところで、自分がきっかけとなった出会いが繋がり、さらに広がっていく。そんなことができたらすごく嬉しいし、私自身も楽しみです。

──作原さんにとって、HAYとはどんなブランドでしょうか。

HAYは日本に上陸する前にコペンハーゲンで出会ったのですが、どんどん進化しているブランドですよね。常に元気をもらえます。日本のブランドがあまり挑戦しないようなデザインや色の組み合わせを積極的に生み出しているところが魅力的ですし、インテリアにおけるワクワクする楽しさを、常にお客さまに伝えていると思います。衣食住のボーダーがなくなってきている今、HAYの家具は洋服をコーディネートするような感覚で、家具や小物を身近に考えるきっかけをくれるブランドなんじゃないかな。
インテリアに今までそれほど関心が持てなかった人も、一度お店に行けば興味を掻き立てられる。そんな出会いがたくさんあるお店だと思います。

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CAST
Interior stylist : Fumiko Sakuhara
Director & Editor : Yu Nishida
Photographer & Videographer : Tetsuo Kashiwada
Text:Kentaro Okumura

作原 文子

作原 文子 interior stylist
岩立通子氏のもとでアシスタントを経験した後、1996 年に独立。主に雑誌、カタログ、TV-CM、エキシビション、ショップディスプレイ、舞台などのスタイリングを中心に活動。2007 年には初めての映画美術にも関わる。手掛ける雑誌は、「Casa BRUTUS」「&Premium」「Figaro japon」「Vogue Nippon」「Men's Non-No」などのインテリア誌、女性誌、男性誌と幅広く、日本のインテリアスタイリストとして第一線で活躍。柔軟な感性を活かし、さまざまなテイストをミックスした独自のスタリングは、男性女性問わず定評がある。「Found MUJI」、「INTERSECT BY LEXUS 」のウィンドウディスプレーや、企業の展示会の空間ディレクションなども行う。
また、2010 年よりスタートした自身のプロジェクト"mountain morning" では、親密な交流をもつ37人の写真家とのポストカード制作をはじめ、日頃から親交のあるショップやブランド、作家たちとオリジナルアイテムも開発。不定期でその世界観を具現化するエキシビションやマーケットも開催している。