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ロナン・ブルレックが語るHAYの魅力(後編) HAYのある暮らし #12

HAYとコラボレーションしている数多くのデザイナーの中で、最も目覚ましい活躍をしているひとりがロナン・ブルレック。世界各国の一流ブランドから家具やプロダクトを発表しているほか、ユニークなドローイングを描くアーティストとしても注目されています。前回の「HAYのある暮らし #11」に引き続き、そんなロナンにHAYとのコラボレーションについてインタビューしました。

HAY
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ロナン・ブルレックが弟のエルワンとともに初めてHAYのためにデザインしたのは、2012年に発表された「CPH」コレクションでした。デンマークのコペンハーゲンに新しく開校する大学のための家具として、HAYがブルレック兄弟に依頼したのがプロジェクトの始まりだったといいます。
「このコレクションは当初、椅子のデザインから始まりました。木でつくる比較的安価な椅子として大量生産向きの構造を考え、それをテーブルにも応用していったのです。テーブルというものは誰もが気に留めずに使っていますが、意外に複雑にできているので、試行錯誤を重ねる必要がありました。ユーザーが自身で組み立てることもできる、簡潔なつくりになっています」
現在、CPHは各種のテーブルのほか、デスクとベンチがラインアップされています。フレームは木ですが、天板にカラーバリエーションの豊富なリノリウムを採用したモデルもあり、HAYの定番であり続けています。

「私としては、CPHの『普通さ』が特に気に入っています。どんなデザインの椅子であっても、さらにはデザインされていない椅子でも合わせやすい。まるで磁石のようでもあり、完璧な友人のようでもあり……。またはピザやパスタにも似ています。それを食卓に出すとみんなが満足するのです」
また、自宅で使っているアウトドア家具の「BALCONY」を白いTシャツにたとえたロナンは、やはり自宅にあるCPHのテーブルは「ブルージーンズ」なのだと表現します。そんなふうに自身にとっても毎日の暮らしに欠かせない、安心感のあるアイテムということです。

HAY
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活動の拠点であるフランスはもちろん、北欧、イタリア、日本など多くのブランドとプロジェクトを進めるロナン。彼にとって、HAYとの仕事はどんな意味をもっているのでしょうか?
「1990年代末からデザイナーとして活動し、いろいろなものをつくってきましたが、ちょうど多くの人々を対象にしたデモクラティックなものをデザインしたいと思い始めた頃にHAYと出会いました。誰もが興味をもち、無理なく手に入れることができる、十分な品質をそなえたプロダクトです。それ以来、HAYとは同じ目的に向かって仕事をしてきました。ただし、これは決して簡単でないチャレンジでした」
HAYはデンマークのブランドですが、起用するデザイナーの出身はさまざま。しかし、クオリティの高いデザインをできるだけ多くの人々に届けようという姿勢には、北欧らしい価値観を感じることができます。

「HAYの創業者のロルフ・ヘイは私と同世代で、初めて会った頃の私はまだ30代だったと思います。当時、コラボレーションする企業のトップは世代がずっと上の人ばかりでしたが、彼とはやがて気軽にいろんなやり取りをするようになりました。彼はデザインに理解があり、視野が広く、物事を素早く進めることができる。デザインディレクターとしてあらゆる点で優れています」とロナン。日頃からSNSのメッセージでスケッチやアイデアを交換することも多く、それだけで1冊の本ができそうなほどだと言います。こうした関係性も、デザインのプロセスや表現を左右しているに違いありません。

HAY
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ロナンの活動といえば、デザインとともに最近とても注目されているのがドローイング。東京でも個展を行ったり、多くのショップがポスターを取り扱ったりと、今まで彼を知らなかった層の間でも人気が高まっています。この活動は、デザインとどんなふうに結びついているのでしょうか?
「スープのようなものです。そのスープには、プロダクトのデザインも、職人とのコラボレーションも、都市景観を考えることも、写真を撮ることも、そしてドローイングを描くことも入っています。ひとつひとつは違うものだけど、すべてが私のクリエイションであり、関連している。ある仕事での学びが他の仕事に生かされることもあります」
昨年、ロナンは自身のインスタグラムに投稿してきた写真を『DAY AFTER DAY』という書籍にまとめました。そこで見られるのは、彼の言葉の通りに多様な活動が渾然となった様子。それこそがロナンらしさなのです。

これからHAYのためにデザインしたいものを尋ねると、ロナンは「すべて」と答えてほほ笑みました。
「どんな場所に住んでいても、自分が好きなものや美しいと思うものに囲まれるのは幸せなこと。私はそういうものをつくっていきたいのです」
彼と同じようにデモクラティックなデザインを志向し、暮らしのためのアイテムを幅広く提案しているHAYは、そんなロナンの気持ちを受け止めていくことでしょう。

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