DESIGNART TOKYO 2025 / Weaving Your Space
O2 Lounge Chair by Jonas Forsman ミニマルで心地よいチェア
O2 LOUNGE CHAIRは、最小限の素材で最大限の快適さを実現する、HAYのためにデザインされたラウンジチェアです。革新的なシュリンクフィットテキスタイルとスリムなスチールフレームの組み合わせにより、驚くほど安定感のある包み込むような座り心地と、ゆったりとした快適さを生み出します。 “Less is more.”――その言葉を体現するデザインです。
O2 Lounge Chair / O2 Ottoman / Fifty-Fifty Floor Lamp / Perforated Cabinet Floor
ひと目見ただけで、HAYの新作O2 LOUNGE CHAIRは、ボリューム感のあるやわらかなフォルムと、軽やかで開放的、そしてミニマルな佇まいを印象づけます。しかし、その特徴的なシルエットの背後には、決して平凡ではないプロセスが隠されています。
本作は、スウェーデンのデザイナー、ヨナス・フォルスマンによるHAYでのデビュー作。強度のあるスチールパイプフレームと、特別に開発されたテキスタイル――この2つの主要素材によって、座るという行為の本質を凝縮しています。「私は常に素材から発想します。素材が張力のもとでどのようにふるまうか、そしてその特性をどう形づくりに生かせるかを考えるのです。余計なものを加えずに」とフォルスマンは語ります。
製造工程では、縫製したファブリックカバーをフレームにかぶせたのち、椅子全体をオーブンに入れます。熱によって生地が収縮し、フレームにぴたりと密着することで、シームレスで自立する構造が完成します。その仕上がりは、工学的でありながらどこか自然体。テキスタイル、構造、空間のあいだに生まれる張力によって形づくられているのです。「言ってみれば、この椅子に使われている“第三の素材”は“空気”なのです」とフォルスマンは付け加えます。
O2 Lounge Chair
O2 Lounge Chair
O2 Lounge Chair / Wood Box Coffee Table
O2 Lounge Chair / Slit Table / Apollo Portable
シート部分には最小限のフォーム層を使用し、広がりのあるフレームの中に心地よいクッション性を持たせています。しかし、ヨナス・フォルスマンが目指したのは、従来の張り加工の常識に挑み、可能な限り素材の使用を抑えることでした。「あなたが最初に持ち込んだのはとても意義のあるアイデアでした――
“張り加工にフォームを使わない”という発想です」と語るのは、HAYの共同創業者であり、家具・照明部門のクリエイティブディレクターを務めるロルフ・ヘイ。「そして最終的に、あなたはシンプルで、快適で、美しい椅子を生み出したのです」
O2 LOUNGE CHAIRの快適さは、素材の張力と空間との関係から直接的に生まれています。
テキスタイル、スチール、そしてそのあいだにある空気――まさにその“空気”こそが、この椅子の名前の由来です。
このデザインアプローチは、従来の張り加工とは一線を画すもの。限られた素材でも豊かな快適さを生み出せるという発想を新たにし、静かなる素材科学の成果として結実しています。それはフォルムを形づくるだけでなく、HAYが掲げる“内側から機能する革新”という理念をも体現しています。
単一のテキスタイル素材に、幅広いカラーバリエーションを展開。
同じシュリンクフィット製法で仕立てられたO2オットマンとの組み合わせも可能です。
O2 Lounge Chair / O2 Ottoman / Fifty-Fifty Floor Lamp / Perforated Cabinet Floor
O2 Lounge Chair
O2 Lounge Chair
O2 Lounge Chair / Pyro Coffee Table / Twist Floor Lamp / Bias Rug Tint / Mags 3 seater
About Jonas Forsman
1979年にスウェーデンで生まれたヨナス・フォルスマンは、受賞歴を持つインダストリアルデザイナーです。スウェーデンのステネビスコーランで家具デザインを学んだのち、チャルマース工科大学でインダストリアルデザインエンジニアリングの修士号を取得しました。現在はスウェーデンのヨーテボリを拠点に、自身のデザインスタジオを運営。家具やプロダクトのデザインを専門とし、機構的なアイデアや素材・ファブリックの可能性を探求しながら、プロダクトを本質まで研ぎ澄ますことを目指しています。機能性と革新性を兼ね備えたデザインは、単なる造形美を超えたものとして評価されています。これまでにヨーテボリ、ストックホルム、ミラノなどで作品を発表し、複数のRed Dot Awardを受賞。HAYでは、O2 LOUNGE CHAIRとO2 OTTOMANのデザインを手がけています。