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倉本仁によるHAY OSAKAの空間 HAYのある暮らし #5

多くのファンが待ち望んだ「HAY OSAKA」が、ついにオープンしました。HAYにとって東京に次ぐ国内2店舗目となったこのショップは、今年2月の開館から多くの来場者で賑わう大阪中之島美術館の1階にあります。HAY OSAKAの内装ディレクションを、プロダクトデザイナーの倉本仁が手がけたことも大きな話題です。「HAY TOKYO」に通じるワクワク感と、北欧デンマークが本拠地のブランドらしい心地よい上質さを、巧みに兼ねそなえた空間ができあがりました。

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  • 倉本仁によるHAY OSAKAの空間 03

HAYが提案する暮らしの風景を伝える「ルーム」、椅子などのアイテムがバリエーション豊富に並ぶ「ミュージアム」、アクセサリー類が充実した「マーケット」という3つのコーナーに、HAY OSAKAの店内は大きく分かれています。白い壁とヘリンボーン張りのフローリングの空間に、ゆったりとHAYの家具や照明をスタイリングした「ルーム」は、デンマーク・コペンハーゲンにあるフラッグシップストア「HAY HOUSE」を思わせる雰囲気。こうしたスペースはHAY TOKYOにはありませんでした。
「世界のHAYのショップから見ると、HAY TOKYOはすごくインパクトがあっておもしろいけれど、異質な空間でもありました。大阪では、そんなインパクトと、もともとHAYがもつ上質で豊かな暮らしをミックスしたいと思いました」と倉本さんは語ります。

倉本さんは、この内装に大阪の地域性を取り入れることも特に重要なポイントとして位置づけました。その考え方が象徴的に表れたのが、カウンターの後ろなどに大胆に使われた金網です。
「3年ほど前に知り合った、金網愛にあふれた社長さんがいる東大阪の工場でつくられたものです。金網にはいろんな色が使えることを教えてもらい、HAYのカラーと親和性のあるものができると思いました。チューブを金網につけてHAYのロゴをつくったのも、社長さんが以前から取り組んでいた手法です」と倉本さん。またカウンターに使ったタイルは、HAYのプロダクトも手がけるフランスのナタリー・ドゥ・パスキエが、イタリアのタイルブランド「MUTINA」のためにデザインしたもの。彼女のタイルを取り入れるのは、HAYクリエイティブ・ディレクターのメッテ・ヘイのアイデアでした。

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家具以外にも多様なプロダクトを発表してきた倉本さんですが、インテリアを手がけた経験は実は多くありません。この仕事のきっかけは、倉本さんがHAYのコートハンガー「KNIT」をデザインしたことですが、内装を依頼されて自分でも驚いたといいます。それでも「おもしろいことができる」という直感がありました。では倉本さんは、いつも新しいデザインをするにあたって何を重視するのでしょうか?
「いろいろな人と組んで仕事する立場なので、その人たちを仕事を通じてもっと幸せにしたいと常に思っています。意見の言いやすい環境をつくり、個々のモチベーションが上がるようにすると、プロジェクトが次のステップへと進みやすくなる。そんなチームワークを意識するんです」
こうした姿勢がデザインの質を高め、ユーザーの満足感につながっていくのでしょう。

それでは倉本さんは、デザインのインスピレーションをどこから得ているのでしょうか?
「普段から注意深く生活することで体験が蓄積され、それがインスピレーションの源になります。何か気になる現象があったり、うまく行かないことがあった時も、それをある程度ロジカルに考えて記憶の引き出しに入れていきます。たとえば夕焼けが美しいと感じたら、それは色なのか、太陽の角度なのか、環境なのか、論理的に整理してみる。すると感動にひもづく体験として生かしやすくなるのです。こうして感性と悟性を行ったり来たりするのが、デザイナーの職能なんだと思います」

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倉本さんは、HAYというブランドを「大量生産によって実現されるアヴァンギャルド」と表現します。プロダクトは、大量生産されるものであればあるほど、突出した個性のないものが好まれるのだそうです。しかしHAYは、製品が量産されて世界各国で販売されていながら、しばしば革新的でアーティスティック。これは今までのデザインの常識を超えているのではないかと、倉本さんは考えます。
「HAYには、僕らの心を次のフェーズに引っ張ってくれるような新しさを感じます」と倉本さん。金網を使った空間の仕切りや、ゴムボートの素材を転用した店頭什器など、倉本さんが今回試みた斬新な発想は、HAYらしさを独自に解釈したものとも言えます。

買い物の仕方も、人の集まり方も、情報発信のあり方も大きく変化してきた近年。ショップに求められるものが、以前とは明らかに違っています。多くの人々が買い物をすることは、もはやショップの存在意義ではありません。プロダクトを体感し、ブランドの思想に触れ、そこにいるだけで心地よさや刺激を感じる場所が求められています。
世界の主な都市には、その街へ行くと用がなくても訪れたくなるお店があります。HAY OSAKAは、そんな場所を思い描きながら生まれたのだそうです。HAYが大阪に根づき、慣れ親しまれながらも、いつまでも新鮮な存在であり続けることを、このショップは予感させてくれます。

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土田貴宏 ライター/デザインジャーナリスト。
2001年からフリーランスで活動。プロダクトやインテリアはじめさまざまな領域のデザインをテーマとし、
国内外での取材やリサーチを通して雑誌やウェブサイトで原稿を執筆。東京藝術大学などで非常勤講師を務める。
近著「デザインの現在 コンテンポラリーデザイン・インタビューズ」(PRINT & BUILD)。

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